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家族に脈々と流れる価値観。それは、雨が降り、澄んだ湧き水となり、川を下り、私たちの口に届く自然の営みのように、父から子へ、そしてその孫へと引き継がれる家族の証です。日本であっても、デンマークであってもその証は形は違えど、私たちが決して手放すことがない価値観です。新生シバスト・ファニチャーはシバスト家に脈々と流れる家族の大切な価値観の中で生まれました。創業者ヘルゲ・シバストが創業したシバスト・ファニチャーはその孫であるディトレブ・シバストとその妻のアナ・シバストの手によって復刻されました。作品をお使い頂き、シバスト家が皆様と共有したいと願う家族の証をお感じ頂けたら幸いです。

Peder Olsen(ペダー・オールセン)がデンマーク・フュン島郊外に小さな家具工房を開いたのは1908年、シバスト・ファニチャーの始まりです。シバスト・ファニチャーの創業者、Helge Sibast(ヘルゲ・シバスト)が生まれたのはちょうどこの1908年、父のペダー・オールセンが開いたばかりの家具工房で熱く仕事をしている時期でした。時が経ち、ヘルゲ・シバストは父と同じ木工職人としての道を歩み出します。彼の木工への思いは父同様に非常に強く、父の作った家具工房を引き継ぐことになりました。ここにシバスト・ファニチャーの基礎ができあがりました。

小さな家具工房であった会社は成長、発展を続け、1943年にはペダー・オールセンの3人の子供、ヘルゲ、オーレ、エマが会社を引き継ぎ、会社の名前を「シバスト・ファニチャー」としました。3人は精力的に働き、特にヘルゲ・シバストは3人の中でも家具職人としての腕が高く、そしてデザイン力に優れており後世に残る数々の名作をデザインしました。

Finn Juhl(フィン・ユール)と共に木工見習としての修行を重ねた、有名家具デザイナーArne Vodder(アルネ・ヴォッダー)との出会いは1950年代でした。以降はヘルゲ・シバストとアルネ・ヴォッダーとの強力な信頼関係から生まれた数多くの家具、ダイニングチェア、テーブル、サイドボードなどは、クラフトマンシップで作り上げられた機能的かつシンプルでありなが美しい家具として多くの人々を魅了し、デンマーク国内だけでなく、北欧諸国、ドイツ、イギリス、オーストラリア、そして遠くは日本にまでその魅力は伝わり、1960年代にはその噂はアメリカ ホワイトハウスにまで伝わり、いくつかの家具をホワイトハウスに納品することになりました。

ヘルゲ・シバストがシバストNo.7、そしてシバストNo.8をデザインしたのは同じ時期の1953年です。

ヘルゲ・シバストが亡くなるほんの1年前の1984年、シバスト一家はシバスト・ファニチャーを手放すことを決めました。ですが、ヘルゲ・シバストの3人の娘達は父のデザインの著作権は手放さず、シバスト・ファニチャーのヘリテージは家族で守っていくことに決めました

シバスト・ファニチャーの創業者であるヘルゲ・シバストがデザインした数々の素晴らしい作品に魅せられたその孫、Ditlev Sibast(ディトレブ・シバスト)、そしてその妻のAnna Sibast(アナ・シバスト)はデンマークデザインクラシック「シバストNo.8」を復刻するため新生シバスト・ファニチャーを立ち上げました。デンマークデザインへの深い興味、そして祖父から受け継ぐデザインセンスで、2人はこれから復刻を含め数多くの作品を発表していきます。新しい作品を発表しようとも、祖父から引き継いだ「誇れるデンマークデザイン」、「クラフトマンシップ」、そして「家族の絆」、この3つは新しいシバスト・ファニチャーにおいても何ひとつぶれることはありません。

製造 - PRODUCTION

デンマークの国土に対する森林の面積はたった15%ほど。日本の70%と比べるととても少ないのです。ですが、森林の利用率は日本の4割に対して7割と、とても多いのです。北海油田が領土内に見つかった1960年代以前、デンマークは日本と同じで天然資源がとても少ない国でした。唯一ある天然資源である木は人々の生活を支え、日照時間が少なく、作物があまり育たないひ弱な土で生活するデンマークの人々はそんな木に感謝しながら生きていました。

唯一あった天然資源の木を加工する技術が自然が高くなったのも頷けます。

その木工の技術を造船技術に生かしデンマーク人はバイキングとなり北欧の海洋貿易を支えるようなります。

イギリスから始まった産業革命に乗り遅れたデンマークの木工は他のヨーロッパ諸国とは違う道を歩むこととなります。機械加工に頼るのではなく、手加工が主になり、その手加工を補完する形で機械を利用するというデンマーク独自の手法が主流となりました。この手法はデンマーク家具が他の国の家具とは一線を画す大きな理由となりました。産業革命に乗り遅れたことがかえって、デンマークの家具作りをよりユニークにし、そして唯一無二の作品が生まれる土壌を作ったということは皮肉なことかもしれません。

針葉樹がほとんどの私たちの周りとは違い、デンマークには沢山の広葉樹があります。ホワイトオーク、ビーチ、ホワイトアッシュ等です。日本のように使える木のほとんどが山の斜面にある国ではなく、一番高い山の標高が200mにも満たない地形を持つデンマークにある木のほとんどは平地にあります。人の生活圏にとても近い場所に使える木があるのです。

その人間の何倍ものサイズがある木はトラックで近隣の製材所に運び込まれます。

身近にある木を使うことはデンマークに住む者にとっては当たり前のことです。ですが、日本と同じで木の加工となると、コストが安い第三国に任せるといったことが当たり前に行われるようになりました。

デンマーク国内の家具加工技術の高さは誰もが認めるところです。それを捨てて、第三国で生産することは、もちろん多くの消費者が考える適正価格を守る上では必要なことかもしれません。ただ、なんとなく違うんじゃないと思い始めている人はずっと昔から、デンマークにも日本にも沢山いると思います。

シバスト・ファニチャーが産声を上げた1908年、家具加工が第三国に移行していくなんて誰も予想していなかったと思います。
住んでいる近くで採れた木を精一杯のアイディアと技術で製材し、近くに住んでいる人、自分の家族、そして自分自身にとってどんな家具がいいのだろうかと時間をかけ考え、独自の方法で家具作りをしていた時代です。身近にある素材を使い、そして身近にいる人達のためにと思った家具作りが、産業革命に乗り遅れたことと相まって、デンマークの家具作りは世界に類を見ない独自なものとなって成長しました。

シバスト・ファニチャーの材料、加工、梱包/発送は沢山のデンマークに住む人達によって支えられています。
デンマークで生まれ、あるいは流れ着き、そこで家族を持ち、仕事に従事し、そして生活をしている人達です。

デンマークにある材料からデンマークで生活する人達が作る家具がシバスト・ファニチャーです。

1908年に始まった時と変わっていません。デンマークで作り続けること、競争社会の中の今の時代ではとても難しいことかもしれません。ですがそのことを大切だと思い、守り続けたいと思っている人達がシバスト・ファニチャーを支えてくれています。

この人達の支えがなかったらシバスト・ファニチャーの復刻はありませんでした。
偉大なデザインが家族に残こされ、それを支える人達がデンマークにいてくれたからこそシバスト・ファニチャーを復刻することができました。

シバスト・ファニチャーを復刻しようと考え始めていた当時のディトレブ・シバストとその妻のアナ・シバストは創業者のヘルゲ・シバスト(ディトレブの祖父)が工房で日々考えていたことと同じ考え方を持つ多くの木工職人がまだこの国に残っていること知り、ブランド復刻に踏み切りました。

ただ単に形を模しただけの復刻ではありません。デンマークに、そして当時シバスト・ファニチャーに脈々と流れていたデンマーク木工職人の誇りが、その魂が宿っている復刻です。

復刻をさせたディトレブ・シバストの母も創業者のヘルゲ・シバストと同じく木工職人です。そして、ずっと父のもと、職人として工房で仕事をしていました。ディトレブが復刻を決意した2012年頃には、1984年に自社工場を手放しているシバスト・ファニチャーには自社で製品を作る力は残っていませんでした。そこで、ヘルゲ・シバストの娘である自分の母に相談をしました。シバスト・ファニチャーの復刻の思いをそのまま理解できる工房があると紹介されたのが、デンマーク郊外、オーデンセからほど近くにある工房でした。

大きな製造メーカーが持つような大掛かりな製造ラインはこの工房には存在していませんでした。機械加工された部品をひとつひとつすべて手で組み付け、丁寧に完成品にしていきます。No.8等、手の込んだ機械加工、そして組み付けが要求される椅子に対して、情熱をもって果敢にチャレンジしてくれました。1日の製造数は限られています。多くの工員で、多くの設備で作ることによって生産数は上がりますが、そのための固定費を償却するほどシバスト・ファニチャーは大きくありません。また、多くの人、そして多くの設備からの費用は販売価格にも影響を与えます。椅子のデザインの複雑さにもかかわらず、現在の価格でご提供できているのは、できるだけ多くの機械加工を入れ、少ない人数、そして設備で、限られた生産数しかな作らないからです。

デンマークで生活する人達によって丁寧に作る。このことは創業以来、復刻した今でも何も変わっていません。

商品ラインナップ - LINE-UP

No.8

No.8

No.7

No.7

No.7ラウンジチェア

No.7ラウンジチェア

No.7 カウンター/バーチェア

No.7 カウンター/バーチェア

No.1サイドテーブル

No.1サイドテーブル

No.2ダイニングテーブル

No.2ダイニングテーブル

No.3ダイニングテーブル

No.3ダイニングテーブル

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